Mr.KINGであったこと、Kingになるということ

デビュー発表から数日、私は未だに受け入れる事が出来ていなかった。何が自分をこんなにも戸惑わせているのか、分からない。でも多分、好きになりすぎだんだ、Mr.KINGというグループを。


大好きだった、Mr.KINGが。Mr.KINGの歌が、ダンスが、関係性が、世界観が、大好きだった。なくなって初めて分かる、当たり前じゃなかったあの日々。もっと声に出せば良かった、がむしゃらに、なんの意見も気にせずに、Mr.KINGへの愛を伝えれば良かった。そうしたら、何かが変わっていたのかな。


知ってしまった、6人でのデビューを社長が考えていなかった事。だとしたら、Mr.KINGで夢を追いかけることは許されたんじゃないのかって、そんな事を考えてしまう。誰にこの感情をぶつければいいのか、誰を責めればこの感情は収まるのか、分からない。


6人でのデビューを望んだのは紫耀くんだった。「僕が主犯」と口にして、「もっと有名になりたい、もっと大きな規模で」と、見果てぬ夢を願った。


ずるいよ、紫耀くん。責めれないよ。だって紫耀くんがこんなにも野心に満ちた夢を口にしたことが今まであった?常に謙虚、そんな紫耀くんが、掴みとりたいと願った夢を責めれるわけがない。


Mr.KINGはもう思い出になる。KING担の中で、決して忘れることのない思い出に。私達KING担が忘れなかったら、Mr.KINGは確かに存在するんだ。今は私は見れないけど、いつか必ず、大切な思い出として見れる日がくる。


忘れない、絶対に。Mr.KINGと過ごしたすべての日々を。


そして、信じるよ。最初で最後となったあの単独ライブでの、数々の愛の言葉。裏でなにが起きてたのかなんて関係ない。確かにあの日、Mr.KINGとKING担は1つになれた。それだけは信じてもいいよね?


春からはMr.KINGはKingになり、King&Princeとして夢を追いかけることになる。


例えば、仕事もなかなか決まらなくて下克上すら起こそうとしてたけど、目の前にあることを頑張って、国民的グループになった「嵐」


例えば、9人でデビューして、そこからメンバーの脱退による何度かの活動休止、それでも這い上がり、今年、15周年を迎える「NEWS」


例えば、最初はジャニーズで異例の演歌枠のデビュー曲、ガラガラの客席に教えてもらったことを糧に前に進み続け、やっと確固たる地位を確立した「関ジャニ∞


例えば、当時誰もがデビューを喜び、飛ぶ鳥を落とす勢いだった、度重なるメンバーの脱退による傷をすべて受け止め、3人だけのドームライブをする「KAT-TUN


例えば、デビュー発表、泣き崩れるファンもいた、戸惑いを隠せないメンバーもいた。シングルも出せない、ライブしか出来ない、席も埋まらない。それでも絆を信じ、最高の10周年を迎えた「Hey!Say!JUMP」


例えば、やっと掴み取ったデビュー後、格差や強烈な推しにたくさんの批判も受けた。それでも何があっても腐らずにただ成功だけを夢見て走り続ける「Kis-My-Ft2


例えば、当時は誰も幸せになれないデビューと比喩されたグループだった。まだ幼かった彼らに待ち受けていたのは壮絶な格差。それでも5人で乗り越え、5周年を迎えた今、最高に輝いている「SexyZone」


例えば、もうデビューは無理なんじゃないかとファンですら諦めかけた。一生バックで終わるからもしらない恐怖と戦い、やっと掴んだデビューという夢。底知れぬスキルと精神力も持つ「A.B.C-Z


例えば、関西からのデビューは10年ぶり。異例とも言えるメンバーの増員。願ったのは、7人でデビューしたいという揺るぎない夢があったから。最高のメンバーでデビューしてこれからも進化し続ける「ジャニーズWEST


数々の先輩達と、もう同じ土俵に立つんだ。たくさんの荒波を乗り越えてきた先輩達と。もう憧れの先輩は憧れの先輩だけじゃなくなる。時にライバルになるかもしれないんだ。ライバルなんて、失礼な言い方かもしれないけど。


上には書けていないけど、他にもたくさんのグループが存在する。ジャニーズだけじゃない、外に目を向ければ足がすくむほどの勢いをもつグループがたくさんある。


それだけじゃない。ドラマをやれば視聴率、映画をやれば興行成績、CDを出せば売上枚数、ライブをやれば動員数。すべてが数字と結果の世界。


そんな過酷な世界に飛び出るんだ、6人は。


受け入れられなくてもいい。まだ愛せなくてもいい。ただ、この世界で戦おうと、一方踏み出した彼らを、否定しないようにしたい。


もう、怯える事はない。離れる事がないという保証を手に入れた。今はその保証を手に入れられた事に、幸せを感じよう。


例えKing&Princeになっても、紫耀くんと海ちゃんが"兄弟"なことも、海ちゃんと廉くんが"双子"なことも、紫耀くんと廉くんが"ライバル"なことも、きっと変わらない。


いつか、この選択をした紫耀くんに、6人に笑顔を向ける事が出来ますように。


語彙力もないのに、こんなに長々と文書を書く"今"の私を、"未来"の自分がそっと包み込める、そんな温かい未来でありますように。